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第14回琵琶湖一周サイクリング大会
プロローグ

4月29日(木) ↑BACK NEXT↓

この日、昼食を済ませて、オガタ嬢のダイハツ・ミラクオーレ(14年落ち、走行距離約102000Km)は、大阪のスタッフの、輪行した自転車3台、それに3人分の荷物を後部座席に満載して、大阪市内より出発した。
なぜこの日からこのレポートは始まるのか??これは開催レポートではないのか??と言う疑問はもっともである。しかし、今しばらくおつきあいいただきたい。伝説は語り継がなければならない。
その兆候はすでにこの時点で始まっていた。午前中、荷物を積みに市内を回っているときに、マフラーの出口のパイプが錆で落ちてしまっていた。少々音が大きくなるものの、走行自体には支障がないため、気にしないことにしていた。

先を急ごう、ミラクオーレは、西名阪、名阪国道と経由し伊賀、水口方面へと軽快に走行していく。
予定では、彦根のバイコロジー事務局へ寄って、最終の参加者リストを受け取り、近江八幡ユースホステルへと向かうつもりであった。

この赤いミラクオーレは、550ccと言う非力なエンジンながら、毎年この時期には、10年以上にもわたってこのイベントで大阪と滋賀の間を往復している。
後部座席に荷物を満載して人間二人を乗せ、名阪国道や名神高速を、10年以上も走っている。
そして、水口から日野を抜け、彦根まであと40Kと言う案内板が見えた頃であろうか、ちょうど、赤信号の手前で止まろうとしているとき、不意にアクセルの手応えが無くなった。
あわててアクセルをあおるが、エンジンは静かに止まってしまう。とっさに惰性で路肩に車を止めるが、どうにも復活の様子を見せない。
幸いにも、すぐ横がコンビニの駐車場だったため、押してそこに車を止め、JAFに電話をかける。到着まで40分ほどかかると言うことなので、事務局へ電話して到着が遅れる旨を連絡、また、現在電車で近江八幡へ向かっているであろうモリモト氏の携帯にも連絡を入れておくことにする。
その間にも、ボンネットを開けたり、セルを回したりしていたものの、エンジンはかかる気配を見せない。

やがてJAFが到着、健康そうに日焼けした、案外若いニイちゃんが降りてきた。エンジンが止まった状況を説明し、ボンネットの中をのぞき込む、幾度かセルを回して、そのニイちゃんはにこやかに言い放った。
「タイミングベルト切れてますねえ〜」
このひとことがすべてであった。「けん引は5キロまでは無料で、その先1キロごとに・・・」と料金説明を始めるニイちゃんに丁重にお引き取りを願い、そろそろ近江八幡駅へ到着するであろうモリモト氏へ電話をかける。ユースホステル(YH)までの迎えにキムラ氏が駅に来ているはずだ、ワゴン車に乗って・・・・

そして、キムラ氏のワゴンが、モリモト氏とけん引ロープを積んで到着したのは、もう夕焼けがあたりを染める頃であった。
私は、明日に全部やることになってしまった作業の量と、本当ならもう食っているはずだったYHの近江牛のしゃぶしゃぶに想いをはせていた。

エピローグへと続く・・・)


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